94小さな病院より大きな病院の方が安心?
漠然と「規模の大きな病院の方が安心」と思っていませんか?
大病院の役割は、高度で専門的な医療の提供です。そこが軽症患者であふれてしまうと、こうした医療を本当に必要としている人が十分に医療を受けられなくなってしまいます。かぜなどの軽度な症状は、身近な医療機関にかかることを考えましょう。
医療と正しく付き合って
「元気にイキイキ」
医師は「元気にイキイキ」を支える大切な存在。日本では誰もが気軽に医療を受けられる体制が整っています。
ところが近年は医療費の増加などにより、この医療制度の存続自体が危ぶまれています。将来にわたり安心して医療を受けられるよう、医師や薬と正しく付き合いましょう。
漠然と「規模の大きな病院の方が安心」と思っていませんか?
大病院の役割は、高度で専門的な医療の提供です。そこが軽症患者であふれてしまうと、こうした医療を本当に必要としている人が十分に医療を受けられなくなってしまいます。かぜなどの軽度な症状は、身近な医療機関にかかることを考えましょう。
体質や普段の健康状態、病歴などを把握してくれているのがかかりつけ医。健康のことなら何でも相談できる心強い存在です。
他科を受診した方がよい場合や、精密検査・高度医療が必要なときは適切な病院を紹介してくれます。気になることがあったら、まずはかかりつけ医を受診しましょう。
なお、かかりつけ医は近隣の内科系の開業医がおすすめ。口コミも参考に、相性のよい医師を選びましょう。
夜間・休日の「時間外診療」では、通常の診療費に加えて「時間外加算」が請求されることになっているため、費用が割高になります。
にもかかわらず、「昼間は忙しいから」「通常の診療時間よりすいているから」などの理由で夜間・休日に受診する人がいます。こうした行為は医療費の増加につながるだけでなく、本当に重症で緊急度の高い患者への治療に支障をきたします。安易な時間外受診はやめましょう。
複数の医療機関でそれぞれ薬を処方されることがありますが、それらの薬の飲み合わせによっては副作用が出たり、逆に薬の効果が薄れたりすることがあります。また、同じ薬を別々の医療機関で処方され、「薬のもらいすぎ」になることもあります。
薬局で配布しているお薬手帳はこうしたトラブルを防ぐのに有効です。
また、災害などの混乱期においてもお薬手帳は役立ちます。大きな災害が起こった後、お薬手帳を持っている人といない人では、診療にかかる時間が大きく異なるといわれています。
お薬手帳についてさらに詳しい情報は、こちらもご覧ください。
薬の飲み忘れを防ぐアイデアをご紹介します。
それでも薬を飲み忘れてしまったら、思い出したときすぐに飲むようにしましょう。ただし次の服用時間が迫っている場合は、1回分抜かして次からまた服用します。2回分をまとめて飲むのは避けましょう。
薬局で、「ジェネリックにしますか?」などと聞かれたことはありませんか?
ジェネリック医薬品とは、特許期間の過ぎた新薬と同等の効果・安全性が認められた薬のこと。開発費を低く抑えられる分、新薬よりも低価格ですが、品質への心配は無用です。医療費を抑えるためにも、積極的に利用しましょう。
ジェネリック医薬品に変更する際は薬の説明をしっかり聞き、それでも不安な場合は“お試し調剤”から始めてもよいでしょう。
日本では誰もが公的健康保険に加入しており、診療費の一部を負担するだけで医療を受けることができます。
ところが高齢化や慢性疾患の増加などにより、医療費は増加し続けています。このまま増え続ければ保険医療の制度そのものが存続できなくなり、安心して医療を受けられなくなるおそれもあります。
医療費の増加を防ぐためには、私たち患者側の意識改革も必要です。