毎年6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です。歯の健康を保つ秘訣は、歯みがきなどのオーラルケアを正しく行うことと、定期的に歯の健康チェックやケアを受けること。歯の健康診断(検診)は、歯周病やむし歯がないかチェックしてもらったり、正しい歯のみがき方を教わったりできる大切な機会です。
今回は、歯と口の健康週間にあらためて見直したい、歯の健診(検診)とオーラルケアについて紹介します。
歯の健康が大切な理由
食べる、会話をする、表情をつくる。歯と口は、健康を支えるだけでなく、毎日をいきいきと暮らすために大切な働きをしています。
また、近年、歯や口の健康が全身の健康にも影響していることが分かってきました。例えば、歯周病は成人期のさまざまな病気の発症や悪化に関わり、高齢期の衰え(フレイル*)は、歯と口からはじまりやすいことが明らかになっています。
*年齢に伴う心身の衰えによって、要介護になるおそれが高くなっていること
歯周病と関係している主な病気
脳梗塞
歯周病菌が動脈硬化を進行させ、脳梗塞の原因となる
認知症
アルツハイマー型認知症を発症するリスクが1.7倍*になるという報告がある
*Chen CK ,et al : Alzheimers Res Ther.2017;9:56
誤嚥性肺炎
歯周病菌が混じった唾液や食べ物が誤って気管や肺に入り、気管支炎や肺炎を起こす
狭心症・心筋梗塞
歯周病菌が動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞につながる
糖尿病
歯周病の炎症物質によってインスリンが効きにくくなり、糖尿病が悪化する
骨粗しょう症
歯周病で歯が抜けると、噛む力が低下して栄養素を十分に吸収できなくなる。その結果、カルシウム不足や低栄養などを招き、骨粗しょう症の危険性を高める
高齢期は“オーラルフレイル”に注意!
オーラルフレイルとは、歯や口のさまざまな衰えが積み重なっている状態のこと。全身の衰え(フレイル)につながるおそれがありますが、改善も期待できる段階です。以下のサインに当てはまる方は、歯科医院を受診し、予防や改善に努めましょう。
| オーラルフレイル 5つのサイン |

歯の健診(検診)受けていますか?
歯を失う原因は、“歯周病”と“むし歯”が全体の約7割*を占めています。これらの病気は、いずれも初期段階で目立った症状がありません。早期に発見して治療に進めるためには、定期的にプロのチェックを受けることが肝心です。食事を楽しみ、栄養をしっかりとるためにも、半年~1年ごとにかかりつけ歯科医院に通うようにしましょう。

市町村の健診(検診)を活用しましょう
お住まいの市町村では、歯の健診(検診)を行っている場合があります。自宅に届いた案内通知や広報誌、ホームページなどを確認しましょう。

| 歯科健診(検診)のおもな項目 |
| ・歯や歯ぐきの確認 ・歯の数や歯周病、むし歯の有無など ・噛み合わせの確認 ・口の中の確認(舌苔*、口の中の乾燥など) *舌の表面に付着した食べ物のかすや細菌がかたまったもの |
この他にも、検査や歯みがき指導、オーラルフレイルのチェックなどを受けることができます。
健診(検診)を利用し、対象とならない時期も定期的にかかりつけ歯科医に通いましょう!
毎日のオーラルケアを見直しましょう
オーラルケアの基本は、毎日の歯みがきです。歯みがきの正しい方法を身につけて、みがき残しのない歯を目指しましょう。
歯ブラシの正しい使い方
- 鉛筆をもつように軽く持つ
力の入れすぎに注意しましょう! - 1か所につき10~20回程度、1~2mmずつ軽い力で細かく動かす
歯の表面や奥歯の噛み合わせは直角(90度)に、歯と歯ぐきの境目や裏側をみがくときは斜め(45度)にあてましょう!

みがき残しの多い場所
以下の箇所は、みがき残しが多い場所です。
みがき忘れがないように、丁寧にみがくようにしましょう。
| 歯と歯の間 | 歯と歯ぐきの境目 | 奥歯の噛み合わせ面の溝 |
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歯と口の健康を守ることが、いつまでも健やかに暮らし続けるための第一歩です。定期的にプロのチェックを受けるとともに、オーラルケアの正しい方法を身につけましょう。
参考
・東京法規出版「知ろう!守ろう!歯と口のきほん」
・Chen CK ,et al : Alzheimers Res Ther.2017;9:56
・8020推進財団「第2回永久歯の抜歯原因調査報告書(2018)」
次回のテーマは「その音量、危険です! イヤホンやヘッドホンによる“難聴”に気をつけよう」を予定しています
難聴は、高齢者だけの問題ではありません。イヤホンやヘッドホンの使いすぎによる難聴が、若い世代を中心に増えており、世界で約11億人もの若者がリスクを抱えているといわれています。音楽フェスや帰省に伴う長時間移動など、夏は大きな音にさらされたり、イヤホンを使ったりする機会が増える季節。毎日の「ながら聴き」が、あなたの耳にダメージを与えているかもしれません。難聴のしくみと予防法を知って、大切な耳を守りましょう。


