医療と健康

2025年10月

“スマホ時代”に身につけたい 目の健康習慣

スマートフォンやパソコンを長時間使用して、目に疲れを感じることはありませんか? 世代を問わず多くの人が、疲れ目やドライアイなどの症状を感じている一方で、目の健康への関心は低いといわれています。スマホ近視・スマホ老眼になる人も増えており、今こそ目の健康を守る習慣づくりが必要です。10月10日は「目の愛護デー」。今日から目にやさしい生活をはじめましょう!

スマホ時代 あなたの目は健康ですか?

わたしたちの生活にすっかり浸透したスマートフォン。インターネットやメッセージのやりとりだけでなく、買いものやさまざまな手続きまでもが“スマホ”ひとつで完結する時代になりました。スマートフォンやタブレットを利用している人の割合は70歳未満では100%に迫り、70歳以上の高齢者世代でも約5割の人が利用しているといわれています

※内閣府「情報通信機器の利活用に関する世論調査(令和5年7月調査)」

そんな“スマホ時代”に気をつけたいのが、目のトラブル。長時間のスマートフォンの使用により、目の疲れ(眼精疲労)を感じている人が増えています。

眼精疲労のおもな症状

目の痛み、目のかすみ、ドライアイ、充血 など
その他、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状が起こることも
※涙が少なくなって、目の表面が乾燥することで生じるさまざまな目の症状

目の疲れを感じている人は、長時間スマートフォンを使っていることが原因かもしれません。1日の使用時間をふり返ってみましょう!

“スマホ近視・スマホ老眼”に注意!

スマートフォンは、目と画面の距離が近くなりやすい、長時間使い続けてしまうなどの理由から、まばたきの減少や目の乾燥を招き、さまざまな目のトラブルを起こしやすいといわれています。“スマホ近視・スマホ老眼”とは、スマートフォンの画面を見続けた結果、目のピント調節がしづらくなった状態のことをいいます。加齢により近くのものが見えにくくなる老眼と異なり、一時的な症状ではありますが、長時間近くのものを見続けることは、近視の原因となります。

モバイル機器によるインターネットの利用時間が年々増えており、平均すると平日、休日ともに約100分にのぼるという調査結果も。「何となくスマートフォンを手にしてしまう」という人は、次に紹介する目の健康習慣を身につけましょう。

※総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

今日からはじめる! 目にやさしい健康習慣

 ①定期的にスマートフォンから目を離す

スマートフォンを見続ける時間が長くならないように、こまめに休憩を挟みましょう。アラームやタイマーを活用して、30分ごとに15秒の休憩を入れ、休憩中は遠くを眺めるようにすると効果的です。

②スマートフォンと部屋の明るさを調整する

スマートフォンなどのディスプレイと周辺の明るさは、なるべく差が少ないようにすることが望ましいとされています。また、画面に映りこむ光の反射も眼精疲労の原因に。スマートフォンだけでなく、照明やカーテンなどで部屋全体の明るさを整えましょう。

③スマートフォンを使っているときの姿勢に注意する

画面が小さく、うつむいて使用することも多いスマートフォン。この頭が下がった姿勢は、首や肩に大きな負担をかけ、肩こりや痛みの原因に。うつむいたり、猫背になったりしていないか姿勢をこまめに確認し、スマートフォンスタンドなども上手に活用しましょう。

④目や首・肩をリラックスさせる

スマートフォンを長時間使うと、目の周りの筋肉は緊張し、首や肩も凝り固まっています。温めたり、動かしたりして、目や首・肩をリラックスさせましょう。

目のリラックス方法

  • 意識的にまばたきをする
  • 目を大きく開き、ギュッと閉じる動きをくり返す
  • 目の周りを温める

首や肩のリラックス方法

  • 首や肩をゆっくりと大きく回す
  • 首までしっかりとお風呂に浸かる

※目や首、肩を温めるときはやけどに注意。心地よいと感じる温度で温めましょう。

スマートフォンの普及によって、私たちはこれまで以上に目の健康リスクにさらされています。これからもスマートフォンと上手につき合っていくために、目の健康管理に努めましょう。

参考
・日本眼科啓発会議「目の健康に関する意識調査(2024)」
・内閣府「情報通信機器の利活用に関する世論調査(令和5年7月調査)」
・総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
・日本眼科医会ホームページ「パソコンと目」
・厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」

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