毎年、夏になると話題になる熱中症。年々暑さも厳しくなり、熱中症対策が不可欠となってきています。熱中症予防のポイントのひとつに「暑熱(しょねつ)順化(じゅんか)」というものがあります。そもそも暑熱順化とはなにか、そして暑熱順化に有効な対策をご紹介します。
◆暑熱順化とはなにか?
暑熱順化とは、身体が暑さに慣れることです。暑熱順化により、早く汗が出るようになり、体温の上昇を食い止められるようになります。 暑さが本格的になる前に、暑さに強い身体をつくることで、熱中症予防につながります。
(一般財団法人 日本気象協会 「暑熱順化ポイントマニュアル」をもとに画像を作成)
◆暑熱順化に有効な対策をご紹介!
日常生活の中で運動や入浴をして汗をかくことで、身体を暑さに慣らすことができます。個人差もありますが、暑熱順化には数日から2週間程度かかります。
暑熱順化の効果は、数日間でゼロになってしまいます。
つい、冷房の効いた屋内や車内で一日を終わらせてしまいがちですが、暑熱順化のための対策を日々にとりいれていきましょう。
(一般財団法人 日本気象協会 「暑熱順化ポイントマニュアル」をもとに画像を作成)
◆やってみよう!暑熱順化チェック!
ここ1週間の行動を振り返って、暑熱順化に有効な対策ができているかをチェック!点数が低い人は、暑熱順化の活動を増やしていきましょう。
(一般財団法人 日本気象協会 「暑熱順化ポイントマニュアル」をもとに画像を作成)
◆暑熱順化の際の注意
●暑熱順化は年齢や環境に合わせよう 暑熱順化の活動を無理に行うことは避けましょう。特に、熱中症になるリスクが高い高齢者やお子さんの無理は禁物です。
●暑熱順化に向いている時期や時間帯を選ぼう 熱中症発症のピークは、梅雨明け後の7月下旬~8月上旬とされています。そのため、梅雨明け前に暑熱順化対策を始めることがオススメです。 また、暑くなってからも活動を行う場合は、熱中症発症の多い時刻(12時~15時前後)は避け、涼しい時間帯や環境で行いましょう。
●熱中症は屋内でも発症リスクがあることを知ろう 熱中症は屋外活動中だけでなく、高温多湿の屋内でじっとしていても発症することがあります。とくに外に出る機会が少ない高齢者や基礎疾患のある人などは、暑熱順化ができにくく、屋内にいても熱中症を発症してしまう人が多い傾向です。屋内でも熱中症の発症リスクがあることを理解し、早めの対策を心がけましょう。
<参考資料> 働く人の今すぐ使える熱中症ガイド 厚生労働省 暑熱順化ポイントマニュアル 一般財団法人 日本気象協会 熱中症診療ガイドライン2015 日本救急医学会
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