もしも、病気やケガをしたときに、医療費を全額自己負担しなければならないとしたら、どうでしょう。大きな手術や長期入院の場合には、医療費を払いきれず、必要な医療を受けられないかもしれません。
このようなことのないように、公的な制度として、みんなで支えあい、医療費負担のリスクを分散するシステムが生まれました。これが医療保険制度です。あらかじめみんなで出しあったお金(保険税(料))をプールして、医療が必要な人に、そこから費用の補助をするのです。
日本の医療保険制度は、成立した背景によってさまざまなものがありますが、大きく分けると、75歳未満の人については地域住民を対象とした地域保険と、サラリーマンを対象とした職域保険に、そして、75歳以上の人を対象とした後期高齢者医療制度に分類できます。このうち国保(国民健康保険)は地域保険にあたります。
すべての日本国民は、これらいずれかの公的な医療保険制度に加入することになっており、これを「国民皆保険」といいます。国民皆保険のわが国では、公的医療保険制度により、すべての人が定められた一定の負担で、必要な医療を受けることができるのです。このことは、当たり前のことのようですが、世界的にみても、きわめてすぐれたシステムなのです。
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