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貧血を予防しましょう”

写真疲れやすい、階段をのぼると息切れがする――これらはもしかしたら貧血が原因かもしれません。「貧血なんていつものこと」と油断していると、重大な病気が潜んでいるおそれもあります。今回は貧血について解説するとともに、予防法についてご紹介します。


■貧血とは「全身が酸欠状態になる」こと

赤血球に含まれているヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を全身に運び、二酸化炭素を回収する働きをもっています。このヘモグロビンや赤血球自体が、なんらかの原因で減少すると、全身に酸素が届かず、息切れしてしまう、疲れやすくなる、頭が重くなるなどさまざまな症状が出ます。これが貧血です。
<貧血の主な症状>
動悸・息切れ
疲れやすい
顔色が悪い
頭が重たい、頭痛
爪が変形する(さじ状爪)
脚(とくにふくらはぎ)のむずむず感のため、脚を動かさずにいられない(むずむず脚症候群)
氷など硬いものを常に噛んでいたくなる
がん情報サービス「貧血 もっと詳しく」を参考に作成

貧血は、急に立ちあがったときにふらっとする「立ちくらみ」とは異なります。立ちくらみは、血圧が乱れて一時的に脳への血流が減少し起こるものです。一方、貧血は血液自体に原因があります。

■貧血の背後に大きな病気が隠れていることも…

貧血は大きく4つの原因があり、なかには病気が隠れていることもあります。貧血なんてよくあることと侮らず、不調を感じたら医療機関を受診しましょう。
貧血のおもな分類 原因
①鉄不足による貧血「鉄欠乏性貧血」 貧血のほとんどがこのタイプです。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質からできており、これらの栄養素が不足することでヘモグロビンをつくることができず、貧血になってしまいます。
②その他の栄養素の不足による貧血 ビタミン欠乏、葉酸欠乏などによって骨髄で赤血球が正常につくられず、貧血になります。
③血液の病気による貧血 再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、白血病、多発性骨髄腫といった血液自体の病気によって貧血になります。
④その他の病気による貧血「二次性貧血」 感染症、腎機能障害、肝機能障害、関節リウマチなどの自己免疫疾患、がんなど他の病気が原因となりおこる貧血です。
国立長寿医療研究センター「健康長寿ナビ 貧血の原因は?」を参考に作成

■貧血に特に注意したいのは、こんな人

年齢、性別、ライフスタイルによって貧血の原因はさまざまです。それぞれの特徴を知り、該当する場合は注意が必要です。
女性(月経あり) 月経のある女性は、定期的に出血があるため貧血になりやすくなります。また、過度なダイエットも貧血を招きます。
妊婦 妊娠期は胎児に栄養を与えるために血液が多く必要です。そのため鉄が不足しがちになります。
成長期の男女 栄養の必要量が増える時期であるため、朝食を抜いたり、栄養バランスの偏った食事をすることで、栄養が足りず貧血になります。ダイエット志向が高い人は特に注意が必要です。
高齢者 低栄養状態や持病(感染症、腎機能障害、肝機能障害、関節リウマチなど)によって貧血が起こりやすい年代です。
日常的に激しい運動をしている人 筋肉は鉄を蓄えるため、筋肉量が多いほど鉄不足になります。その他汗によって鉄が失われたり、走る際、足の裏などで受ける衝撃で赤血球が破壊されたりするといった理由で貧血になります。
「貧血大国・日本」山本佳奈(光文社)を参考に作成

■鉄欠乏性貧血の予防は食事から!

貧血の多くを占める鉄欠乏性貧血は、予防が可能です。方法は鉄をとること。鉄欠乏性貧血が気になる方は、以下の鉄の摂取推奨量を踏まえて、鉄の多い食品を毎日の食事に取り入れましょう。鉄が添加された牛乳や乳製品、ゼリーなどの栄養機能食品を利用するのもおすすめです。
※特定の栄養成分の補給のために利用される食品。
<一日の鉄の摂取推奨量>
性別 年齢 推奨量
成人男性(18歳~74歳) 7.5mg
成人女性 月経あり 18歳~49歳 10.5mg
50歳~64歳 11.0mg
月経なし 18歳~64歳 6.5mg
65歳~74歳 6.0mg
文部科学省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」より引用・改変

ポイント① 鉄を多く含む食品をしっかりとる!

鉄には、動物由来の「ヘム鉄」と植物由来の「非ヘム鉄」の2種類があります。「ヘム鉄」「非ヘム鉄」をバランスよく摂りましょう。
<主な食品に含まれる鉄の量>
・ヘム鉄を多く含む食品
食品 鉄の量
豚レバー(生50g) 6.5mg
鶏レバー(生50g) 4.5mg
牛レバー(生50g) 2.0mg
食品 鉄の量
かつお(生50g) 1.0mg
きはだまぐろ(生50g) 1.0mg
くろまぐろ(脂身生50g) 0.8mg
くろまぐろ(赤身生50g) 0.6mg
めざし(焼1尾50g) 0.6mg
・非ヘム鉄を多く含む食品
食品 鉄の量
調整豆乳(200g) 2.4mg
糸引き納豆(50g) 1.7mg
大豆(ゆで30g) 0.7mg
食品 鉄の量
小松菜(ゆで75g) 1.6mg
春菊(ゆで75g) 0.9mg
ほうれん草(ゆで75g) 0.7mg
ひじき(ステンレス釜製、ゆで50g) 0.2mg
ひじき(鉄釜製、ゆで50g) 1.4mg
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より鉄量を小数点第2位で四捨五入して算出

ポイント② 鉄の吸収を助ける栄養素をとる!

「非ヘム鉄」の吸収率を高めるビタミンC(野菜・果物など)、そしてヘモグロビンの材料にもなるたんぱく質(肉・魚・卵・乳製品・大豆など)の摂取も大切です。 「主食・主菜・副菜」の定食スタイルに牛乳、乳製品、果物を加えると自然と栄養バランスが整います。毎日の献立づくりの参考にしてください。
<献立のポイント>
食品と栄養素 献立のポイント
主食 食品 ごはん、パン、めん類など 玄米の方が精白米より鉄が豊富です。シリアル類に鉄が多く添加されているものもあります。
栄養素 炭水化物
主菜 食品 魚や肉、卵、大豆製品など 魚ならカツオ、マグロ、アジ、肉なら豚もも肉など脂肪の少ない部位がおすすめです。
栄養素 たんぱく質
副菜 食品 野菜、きのこ、いも、海藻など パセリ、小松菜、春菊などに鉄が多く含まれています。
栄養素 ビタミン、ミネラル
牛乳・乳製品、果物 牛乳やチーズには鉄が添加されたものもあり、たんぱく質も手軽にとれます。生の果物はビタミンCが豊富なので、積極的にとりましょう。
「かしこく摂って健康になるくらしに役立つ栄養学」新出真理(ナツメ社)を参考に作成
3食こまめに鉄を補給し、吸収率を高める献立作りを意識して、毎日元気に過ごしましょう!
また、慢性的な貧血がある人は、その状態に慣れてしまい自覚症状を見逃しがちです。異常の早期発見のために、「特定健診」や「がん検診」を受診しましょう。

※埼玉国保の特定健診では、貧血の既往歴を有する方または視診などで貧血が疑われる方に医師の判断によって貧血検査を行っています。くわしくはこちらをご覧ください。

<参考資料>
厚生労働省「e‐ヘルスネット」

 
 
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