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気になっていませんか? “お口の臭い”

写真コロナ禍によるマスク生活で、以前よりも口臭が気になるようになったという方は多いのではないでしょうか。口臭は、周囲の人との気持ちよいコミュニケーションのために防ぎたいものですよね。今回は、口臭の原因と対策について解説します。


■口臭は4種類! そのうち注意すべきものは「病的口臭」です

口臭は生理的口臭、病的口臭、外因的口臭、心因性口臭の4つの種類があります。

1 生理的口臭

寝起きや空腹時、緊張時など唾液(だえき)の分泌が減少して発生する口臭です。
【原因】
唾液には、口の中の汚れを洗い流したり細菌の増殖を防いだりする自浄作用があります。唾液の分泌が減る睡眠時、空腹時などは口の中に汚れがたまってしまい、これを細菌が分解することによって口臭が発生します。1日の中でこの口臭の強さは変化します。
口臭の1日の変化
口臭の1日の変化

※メチルメルカプタン:主な臭い物質
口腔衛生学会雑誌51巻5号(2001)「生理的口臭の成分と由来に関する研究」渋谷 耕司を一部改変

【対策】
食事で唾液の分泌が増えたり、歯みがきや水分を摂取したりすることで口臭が弱まります。誰にでもあるものなので、治療の必要はありません。

2 病的口臭

口の中の病気や体の病気が原因となる口臭です。
【原因】
耳、のど、呼吸器、消化器などの病気や糖尿病など、口以外の病気が原因の場合もありますが、約8割以上の原因は「口の中」にあります。
病的口臭の口の中の原因
歯周病 歯周病菌が代謝の過程で臭いを産出する
むし歯 進行して歯の神経が腐ったり、むし歯でできた穴に食べ物が入って腐敗したりすると強い臭いがでる
舌苔
(ぜったい)
舌に付着している白っぽい汚れは細菌のかたまりで、食べかすやはがれた粘膜などのたんぱく質を分解し、臭いを出す
歯垢
(プラーク)
歯周病菌、むし菌などの細菌が集まった白色や黄色のネバネバした歯の付着物で、食べかすやはがれた粘膜などのたんぱく質を分解し、臭いを出す
唾液の減少 汚れが落ちず口臭がでる。前項の「1、生理的口臭」を参照
【対策】
口の中の原因を取り除けば改善可能です。後述を参照してください。

3 外因的口臭

飲食物や嗜好品による口臭です。
【原因】
ニンニク、ニラなど匂いが強い食品や、喫煙によって口臭が発生します。
【対策】
一時的なもので、時間がたてば消えていきます。口臭を抑えたいときは匂いの強い食べ物は避けましょう。喫煙による口臭の解消には禁煙をお勧めします。

4 心因性口臭

客観的な口臭はなくても、本人が口臭があると思い込んでいるものです。
【原因】
精神的に不安定なときやストレスを抱えているときに感じます。
【対策】
歯科医などの専門家に口臭があるかチェックしてもらい、口臭がないことを理解することが重要です。それでも気になる場合は、精神科などでカウンセリングを受けましょう。

■病的口臭を減らす3つのセルフケア+プロのケア

セルフケア

①歯ブラシ+お役立ちグッズを使った歯みがきで、歯を清潔に保つ
歯ブラシのみの歯みがきだと、歯垢(プラーク)は約60%しかとれませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると約80%まで歯垢の除去率はアップします※。デンタルフロスや歯間ブラシなどのお役立ちグッズを使って歯を清潔に保つと口臭だけでなく歯周病、むし歯などの予防につながりますので、毎日の習慣にしましょう。
※日本歯科保存学雑誌48巻2号(2005)「歯間清掃具によるプラーク除去効果の臨床的検討」高世 尚子
②舌苔を取り除く
舌苔はうがいではとれません。柔らかい歯ブラシや、舌ヘラ、舌ブラシでケアをしましょう。
舌清掃のポイント
  • 鏡で舌の奥の方に舌苔がついているか観察する。ついていなければ清掃する必要はありません。
  • 起床直後(朝食前)に、1日1回行う。
  • 舌クリーナー(ブラシやヘラ)、柔らかい歯ブラシ(水に濡らす)などを使って、舌の後方から前方に汚れをかきだすようにブラシを動かす。
  • 強い力で擦らないようにする。舌がヒリヒリしたり血がにじんだりした場合は、1週間は舌清掃を中止する。
③口の乾燥を防ぐ
乾燥予防・唾液分泌のポイント
  • よくかんで食べる
  • 多量飲酒はしない
  • 禁煙する
  • ストレスをためない
  • 口呼吸をやめて鼻呼吸にする
  • 唾液の分泌を促すマッサージなどを行う
耳とほおの間のマッサージ 指をほお(上の奥歯のあたり)にあてて、ゆっくりと回す(10回)
あごの下のマッサージ 親指で、耳の下からあごの下まで5箇所くらいにわけて順番に押す(各5回くらいずつ)
あごの真下のマッサージ 両手の親指で、あごの真下をグーっと押す(10回)

プロのケア

定期的に歯科健診へ行く
歯が痛くなったときだけ歯科医に行くのではなく、半年に一度は定期的なプロのチェックを受け、口の中のケアをしましょう。口の中の病気の予防につながり、またかかったとしても早期に治療ができます。


口の中に原因がある口臭については、きちんと予防すれば直すことが可能です。病的口臭を減らす取り組みで、しっかり予防していきましょう!

<参考資料>
(公社)日本歯科医師会 「口臭」
(特非)日本臨床歯周病学会「口臭について」
(公社)日本口腔外科学会 「口腔内のトラブル」
「歯と口のおはなし劇場」東京法規出版

 
 
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