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あなたは大丈夫? 気づかないうちに忍び寄る循環器病

写真循環器病は、ほぼ無症状で忍び寄り、寝たきりや命にかかわる病気です。不健康な生活習慣を続けていると、老若男女の区別なく発症の恐れがあります。今回は、循環器病について解説し、予防方法などをご紹介します。


■循環器病とは

心臓や血管など全身に血液を循環させるための器官を「循環器」と呼びます。これら循環器に起こる病気が「循環器病」です。

主な循環器病
【脳の血管で起こる循環器病】
脳卒中 動脈硬化などで、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳細胞に血液が届かなくなったり、脳の機能に障害が起こる病気です。血管が破れる「出血性脳卒中」には脳出血、くも膜下出血など、血管が詰まる「虚血性脳卒中」には脳梗塞などがあります。
【心臓で起こる循環器病(心臓病)】
狭心症
心筋梗塞
心臓に酸素や血液を送る血管である「冠動脈」が、動脈硬化により狭くなったり詰まったりすることで心臓に血液が届かなくなり、心筋が壊死してしまう病気です。
心不全 さまざまな原因で、心臓のポンプ機能が低下した状態です。全身の血液の流れが滞り、息切れや足のむくみなどが起こります。一度発症すると完治は難しく、心臓の機能を保つ治療が必要です。
不整脈 心臓が血液を送り出すリズム(脈拍)が、速くなったり遅くなったり、不規則になったりする状態です。心臓の病気だけでなく、ストレスや睡眠不足が不整脈の原因になることもあります。
【太い血管(動脈)で起こる循環器病】
大動脈瘤 心臓から送り出された血液が最初に通る、人体の中で最も太い血管である「大動脈」が動脈硬化などによってこぶのようになった状態です。こぶが破裂すると、命にかかわります。

■死因・介護原因の上位を占める循環器病

循環器病は日本人の死因の多くを占めていて、心臓病と脳卒中を合わせると22.5%と、がんに次いで第2位となります。また、介護が必要になった原因の第1位は認知症ですが、脳卒中と心臓病をあわせると第1位です。

グラフ

■循環器病を予防するには、「生活習慣の改善+定期的な健診の受診」!

循環器病の予防には、生活習慣の改善と健診の受診が要です。

●生活習慣の改善

1.禁煙
喫煙は血圧を上げるなど体に悪影響を及ぼし、心臓病や脳卒中の大きな原因となります。また、たばこを吸う人だけでなく、まわりの人にも受動喫煙による健康被害を及ぼします。
禁煙はいつ始めても遅くありません。今すぐ、きっぱり禁煙を!

禁煙のコツ

  • 本数を減らすのではなく、きっぱりやめる。
  • 吸いたいと思ったら、ほかのことをして気をそらす。
    例)水を飲む、ガムをかむ、深呼吸、歯をみがく、体を動かすなど
  • 禁煙外来を利用する。
2.節酒
お酒は、適量なら血流改善やリラックス効果がありますが、飲酒量が多くなるほど血圧は上昇する傾向にあります。また、飲酒によって自制心が緩んで食べ過ぎてしまうことで、生活習慣病の要因となることも。お酒の適量は純アルコール量20g程度です(女性や高齢者はこの半量)。週に2日は休肝日をつくって、適量を楽しみましょう。
純アルコール量20g程度の例
ビール(発泡酒) 日本酒 ウイスキー ワイン
ロング缶1本 1合 ダブル1杯 ダブル2杯
500mL 180mL 60mL 240mL
厚生労働省「保健指導におけるアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)」
3.減塩
食塩のとりすぎは、血圧を上げて血管に負担をかけ、心臓病や脳卒中の危険を高めます。食塩は調味料、加工食品からとることが多いため、以下の減塩のコツを実践しましょう。

減塩のコツ

  • 減塩タイプの調味料・食品を選ぶ。
  • 調味料は「かける」をやめて「つける」。
  • 加工食品はできるだけ控える。
  • だしのうま味を活用して食塩の使用を減らす。
  • 酢や香味野菜、香辛料で味にアクセントを。
  • めん類の汁は飲まない、みそ汁は具沢山にして汁を減らす。
4.運動・身体活動を増やす
運動に限らず体を動かすことは、血管の柔軟性を保ち、生活習慣病を遠ざけるため、心臓病や脳卒中の予防にもつながります。運動する時間がないという人でも、できるだけ体を動かす習慣をつけましょう。

身体活動を増やすコツ

  • エレベーター、エスカレーターではなく階段を使う。
  • 買い物などは徒歩で。
  • 家事や掃除で体を動かす。
  • 散歩の習慣をつける。

●定期的な健診受診

心臓病や脳卒中は無症状で忍び寄ります。早期発見には、定期的な健診受診が欠かせません。とくに、40歳以上の人が受ける「特定健診」は、循環器病の主な原因である動脈硬化を進行させる「メタボリックシンドローム」に着目した健診です。健診のお知らせがきたら、1年に1回必ず受けましょう。

■早期発見が大事! 循環器病の前兆症状を知ろう

循環器病は命にかかわり、治療が遅れると体にマヒが残るなど後遺症も心配されますが、早急に適切な治療を行うことで回復を早め、後遺症も少なくできることがわかっています。そのため本人や周囲の人が発症の前兆に早く気づき、すぐに医療機関にかかることが大切です。

●脳卒中は「FAST」でチェック!

アメリカの脳卒中協会などでは、脳卒中の疑いのある人の症状について「FAST」というキーワードでチェックしています。早急な対応や救助に役立てましょう。発症してから数時間しか使えない薬もあり、時間がたつほど回復が難しくなるため、すぐに医療機関を受診することが大切です。
FAST
Face【顔】 片側がゆがんでないか
Arm【腕】 両手が上がるか(片方の手に力が入らない)
Speech【言葉】 短い言葉を話せるか
Time【時間】 発症時刻を確認し、すぐに119番

●狭心症や心筋梗塞に備えましょう

狭心症や心筋梗塞の初期症状として、胸痛、胸の圧迫感やしめつけ感がありますが、初期には目立った症状がなく、胸焼け、腕・肩・歯・あごの痛みなど、心臓以外の場所に症状があらわれることもあります。運動や緊張、冬場の寒暖差など、心臓に急激な負担がかかったときに発症しやすいので、リスクのある人は以下のような状況では注意しましょう。

こんな時に起こりやすい

  • 激しい運動をしたとき
  • 階段の上り下りをしたとき
  • 精神的に興奮や緊張をしたとき
  • 急に寒いところに出たとき
  • 喫煙や飲酒、入浴をしたとき など
循環器病は、正しい知識をもち、予防行動をとることで、発症リスクを十分に減らすことができます。毎日の生活の中で、積極的に予防に取り組みましょう。

<参考資料>
「循環器病予防のてびき」東京法規出版
「気づかないうちの忍び寄る循環器病 あなたの心臓・血管大丈夫?」東京法規出版
「血圧リセット習慣」東京法規出版

 
 
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