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近年増加中! アニサキスによる食中毒を予防しましょう

写真厚生労働省の食中毒統計資料によると、2021年のアニサキスによる食中毒発生件数は344件で、2013年の88件と比べて約4倍にまで増加しています。私たちが生で食べる魚の種類が増えたことが一因と考えられています。
今回は、アニサキスについて解説するとともに、家庭で実践できる予防法をご紹介します。


■アニサキスとは

アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫です。アニサキスが寄生する魚介類を生で食べることで、食中毒が起こります。感染源となる魚介類は150種を超えますが、最も多いのはサバです。日本では刺身や寿司など、魚介類を生で食べる習慣があるため、季節を問わず通年でアニサキスによる食中毒が発生しています。

アニサキス(寄生虫)の特徴
農林水産省HPを参考に作成
外見 半透明白色
サイズ 体長は約2~3cm、幅0.5~1mm、太い糸状の線虫
形態 渦巻き状になっていることが多い
寄生場所 内臓周辺、腹腔内、筋肉内。寄生している魚介類が死亡、時間が経過すると、内臓から筋肉に移動する。
感染経路 アニサキスが寄生した魚介類を食べることで感染する。
人から人にうつることはない。
おもな感染源 サバ、サンマ、アジ、カツオ、サケ、スルメイカ等の魚介類
潜伏期間 食後数時間~10数時間(胃アニサキス症)
食後10数時間~数日(腸アニサキス症)

■食中毒の原因第1位のアニサキス

食中毒のおもな原因は、「細菌」「ウイルス」「寄生虫」。冬期に流行するノロウイルスなどを抑え、食中毒の原因の第一位はアニサキスです。2021年では食中毒発生件数のうちアニサキスが原因のものは約半数にものぼっています。
食中毒の原因物質と発生割合(件数)
令和3年(2021年)食中毒発生事例グラフ
厚生労働省「令和3年(2021年)食中毒発生事例」を参考に作成

■アニサキス食中毒の症状

アニサキスが体内に入ると、以下のような食中毒症状が現れることがあります。

●アニサキス症

アニサキスが胃や腸の内壁に入り込むことで起こります。胃アニサキス症は食後数時間~10数時間後にみぞおちの激しい痛み、吐き気、おう吐などがあらわれます。腸アニサキス症は食事後10数時間~数日後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状などを起こします。
〈治療法〉
治療薬はありません。痛みが継続する場合は医療機関を受診し、アニサキスを摘出します。

●アレルギー症状

アニサキスの持つたんぱく質が抗原となってアレルギー反応を起こし、じんましんやアナフィラキシーなどが生じる場合があります。
〈治療法〉
医療機関でアレルギーの対症療法を行います。

■アニサキス食中毒、予防のポイント ~安全に食べるために~

アニサキスは、しょうゆ、わさび、塩、酢などの調味料では死にません。また、よく噛めばアニサキスも噛み切れると思われるかもしれませんが、アニサキスはとても小さいとともに丈夫なため、噛み切ることは困難です。また、天然の魚に比べて、養殖の魚に寄生していることは少ないといわれていますが、これも確実ではありません。
以下を参考に、アニサキス食中毒を予防しましょう。

確実に除去する方法

  • 魚介類は十分な加熱調理をする(中心温度60℃以上で1分以上)。
  • 生食をする場合は、-20℃で24時間以上冷凍された魚介類を使用しましょう。家庭用冷凍庫では温度が下がりにくいので、2日間冷凍庫に入れましょう。
    (販売前に十分冷凍されたものでしたら、再度冷凍の必要はありません。どれくらい冷凍されたかは、お店の人に確認してください)

上記の方法をとれない場合気をつけること

    【購入・保存時】
  • 魚介類は新鮮なものを選びましょう。保冷剤・氷などでなるべく冷やした状態で持ち帰り、帰宅後はすぐ内臓をとりましょう。すぐに内臓をとることで、筋肉に移る前にアニサキスを取り除くことができます。また、鮮度に関係なく、内臓は食べないようにしましょう。
    【調理時】
  • 調理するときに目視で確認して、除去しましょう。

アニサキスが怖いから刺身、寿司が食べられないと嘆くより、予防のポイントをしっかりと実践して、安心して旬の魚を楽しみましょう!

<出典>
「食中毒ハンドブック 正しい知識で万全な対策を」東京法規出版
厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
一般財団法人東京顕微鏡院「急増するアニサキス食中毒」

 
 
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