ウォーキングは、運動不足の人や高齢の人でも簡単に始められる運動です。いま、運動効果をよりアップさせる「歩き方」が注目を集めています。今回は「歩き方を変える」だけで脂肪燃焼と筋力アップが同時にかなう「インターバル速歩」についてご紹介します。
■インターバル速歩とは
インターバル速歩(※1)とは、「ゆっくり歩き(遅歩き)」と「速歩(早歩き)」を交互に繰り返すウォーキング法です。自分のペースで歩く「ゆっくり歩き」と、全身の筋肉の70%を占める下半身の筋肉に負荷がかかりやすい「速歩」を交互に行うことで、ウォーキングよりも少ない時間で持久力と筋力のアップが期待できます。
※1 信州大学学術研究院医学系特任教授 能勢博氏提唱。「インターバル速歩」はNPO法人熟年体育大学リサーチセンターの登録商標です。
■インターバル速歩の健康効果
中高年者を対象にした、5か月間のインターバル速歩と1日8,000歩目標のウォーキングの効果を比較した研究から、インターバル速歩は、持久力と筋力を高め、生活習慣病、うつ病の改善、がん、認知症予防などの他さまざまな健康効果があることがわかっています。
Nemoto K, Gen-no H, Masuki S, Okazaki K, and Nose H: Effects of High-Intensity Interval Walking Training on Physical Fitness and Blood pressure in Middle-Aged and Older People, Mayo Clin Proc. 82(7): 803-811, 2007.
■やってみよう! インターバル速歩
1 歩き方
「ゆっくり歩き(遅歩き)」と「速歩(早歩き)」を交互に3分間ずつ行う(速歩がキツければ、1~2分でも大丈夫)。
● 速歩
大きな歩幅で行います。ややキツイとキツイの中間くらいが目安です。『上を向いて歩こう』という曲のペースに合わせると歩きやすくなります。 ※速歩のときの姿勢
・背筋を伸ばす
・視線は25m前方に
・肘は直角に曲げて、後ろにしっかり引く
・かかとから着地する
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● ゆっくり歩き 普段の歩幅で行います。歩いている時、息が整うくらいのペースです。
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2 運動量の目安
速歩3分、ゆっくりした歩行3分の6分間を1セットとして、1日5セット以上(1日30分以上)が目安です。また、インターバル速歩は小分けで行っても効果は変わりません。
週に4日以上を目標に続けていきましょう。
3 インターバル速歩の注意点
- 開始前と後は必ず水分補給をしましょう。歩行中も適宜水分を補ってください。
- スタート前と終わった後にストレッチを行いましょう。
- 柔らかくて、曲がりやすい靴底で、かかとにクッション性がある靴を履きましょう。
- 空腹時には行わないようにしましょう。
- 心肺機能の異常などを指摘された方は、必ず医師に相談した上で行ってください。
緩急をつけて歩くことで無理なく続けられ、健康効果を得られるインターバル速歩。姿勢や体型がよくなるとともに体力が向上することで、運動にチャレンジする意欲が出て、毎日にハリが生まれます。さっそく始めてみましょう!
<参考資料> NPO 法人・熟年体育大学リサーチセンターHP 「世界一効く健康ウォーキング」能勢博 池田書店 「医師が教える 10歳若返る2テンポウォーキング」能勢博 学研プラス
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