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“つながり力”を高めて、健康づくりをはじめよう

写真人との交流をもち「つながる」ことは、心身の健康によい効果があることがわかっています。2022年は職場や地域などとのかかわり方を見直してみませんか? 今回は“つながり力”と健康の関係についてご紹介します。


■「ソーシャルサポート」=「つながり」は心身を守る

話を聞いてくれる、アドバイスをくれる、遊びや気分転換に誘ってくれるなど、周囲の人たちからの有形無形の支援のことを「ソーシャルサポート」といいます。この「ソーシャルサポート」は「人や社会とのつながり」です。この「つながり」から受けられるさまざまなサポートは、不安や悩み、イライラをやわらげるなど、ストレスから心身を守る効果があります。

ソーシャルサポートには、以下の4つの種類があります。
意味 サポートの例
情緒的サポート 共感や愛情の提供 不安、愚痴など話をきいてくれる
慰めたり、励ましてくれる
道具的サポート 形のある物やサービスの提供 買い物や掃除を手伝う
情報的サポート 問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供 情報の調べ方を教える
おすすめのスーパーを教える
評価的サポート 肯定的な評価の提供 フィードバックする
褒める

■健康寿命に最も影響するのは「つながり」

病気やけがを予防し、健康を維持するには、食事や運動、禁煙などが大切です。しかし、健康寿命(健康に問題なく日常生活を送れる期間のこと)延伸のために最も必要な「予防行動」は、「つながり力を高める」ことです。「つながり」があると周囲から様々な援助を得られる機会が増え、心身の健康の支えになります。このことは、下のグラフからもわかります。

グラフ

村山洋史『「つながり」と健康格差』ポプラ社、2018から引用

■孤独は生活習慣病をはじめ、さまざまなリスクを高める

一方、「つながり」をもたない孤独な状態はストレスとなって心身に悪影響を及ぼし、心臓病や脳卒中、糖尿病といった生活習慣病や、認知症のリスクを高めることがわかっています。これらによって要介護になる危険さえ高まり、健康寿命が短くなってしまいます。

グラフ

斉藤雅茂、近藤克則ら:日公衛誌.62(3):95-105,2015

■「おたがいさま」で信頼関係を築く

自分の力で解決できない問題や悩みを抱えているとき、困っている時に、誰かに助けを求めて支援してもらうことは、重要なストレス対処法のひとつです。助けを求めることは、恥ずかしいこと、迷惑をかけることでは決してありません。大切な“生きる力”です。自分の健康・生きがいづくりになるだけでなく、見守り、支えあう「おたがいさま」といった信頼関係を持ったまちづくりにもつながります。

■つながりを広げ“つながり力”を高めましよう

地域や職場などで、お互いに助け、助けられるといった“つながり力”があると、自ずとお互いの健康を守りあうことができます。気負う必要はありません。今年は、以下のような行動をはじめてみませんか?

①不安、悲しいときに寄り添う(情緒的サポート)
話を聞くのはもちろんですが、そばにいるだけでも助けになります。
例:知人の話を傾聴する。

②困っていたら手助けをする(道具的サポート)
協力しあって同じ作業を進めると、つながりも強くなります。
例:足をけがした知人の代わりに買い物へ行く。

③健康情報をやりとりする(情報的サポート)
必要なアドバイスや情報のやりとりは、生活をサポートしてくれます。
例:体調が悪そうな知人に、医療機関への受診をすすめる。

④やってくれたことに対してお礼を言う(評価的サポート)
かかさずお礼を言えば、いい関係を築くことができます。
例:仕事を手伝ってくれた人に、感謝を伝える。

⑤新しい世界を広げてみる
地域には、つながる機会や場所がたくさんあります。地域活動の情報は広報紙やインターネット、自治体などで入手できます。あなたも地域デビューをしてみませんか?
例:
  • 地域行事への参加
  • 趣味サークル、スポーツ活動への参加
  • 交通安全・防災活動
  • 自治会活動
  • ボランティア活動 など

普段から周囲に自分を見守ってくれる人がいると心強いものです。それは相手にとっても同じことでしょう。あいさつや簡単な声がけからでもかまいません。安心しあえる関係性を築くことは、幸福度の高い人生へとつながります。“つながり力”を育てて、今年も楽しく、健康に過ごしましょう!

<参考資料>
「つながり」と健康格差 村山洋史 ポプラ新書
厚生労働省「e‐ヘルスネット」
「健康生活へシフト!」東京法規出版
「知って健康! フレイルって、何?」東京法規出版
「つながるガイド」東京法規出版

 
 
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