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2019年7月のトピックス お年寄りは熱中症にとくに注意が必要です!

写真気温や湿度が高くなり、体がバテやすいこの季節、とくに気をつけたいのが熱中症です。なかでも熱中症患者の約半数は高齢者であり、予防する上で家族や地域の人たちの見守りも重要になってきます。

■ 昨年は死者1500人超

熱中症とは、暑い環境にいることによって、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温が急上昇して起こる体調不良の総称です。症状が進むと、命に関わる危険性があり、実際に昨年度(2018年度)6~9月までの熱中症による死亡者数は、1518人にも及んでいることがわかっています(概数/厚生労働省 平成30年人口動態統計月報)。

■ 重症化リスクが高い高齢者の熱中症

熱中症には大きく分けて、①労作性熱中症、②非労作性(古典的)熱中症――という2種類があります。「労作性熱中症」は、炎天下でのスポーツや屋外での作業中に発症するタイプの熱中症です。一方、高齢者に多く見られるのが「非労作性(古典的)熱中症」です。室内でよく起こり、とくに激しく体を動かしていないのに熱中症になってしまうケースで、重症化しやすいとされています。

〇2種類ある熱中症のタイプ

  ①労作性熱中症 ②非労作性(古典的)
熱中症
年齢 若年~中年 高齢者
性差 圧倒的に男性 男女差なし
発生場所 屋外、炎天下 屋内(熱波で急増)
発症まで
の時間
数時間以内で急激発症 数日以上かかって徐々に悪化
筋肉運動 あり なし
持病など なし あり(心疾患、糖尿病、脳卒中後遺症、精神疾患、認知症など)
予後 良好 不良
資料:
平成31年度 環境省熱中症対策シンポジウム「熱中症の現状と基本情報」(帝京大学医学部救急医学講座 三宅康史教授)をもとに作成

■ 高齢者が熱中症にかかりやすい理由

高齢者はなぜ熱中症にかかりやすいのでしょうか? 主な理由として、①暑さを感じにくくなる、②水分が不足しがち、③汗をあまりかかなくなる ―の3点があげられます。

〇高齢者がとくに注意が必要な理由

暑さを感じにくい 高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくくなり、冷房の利用などの体温調節が遅れがちとなり、高体温になりやすい
②水分が不足しがち 水分を溜める機能を持つ筋肉の衰えなどによって、体内の水分量が少なく、脱水状態に陥りやすい
③汗をあまりかかない 高齢になると、発汗の始まりが遅くなったり、発汗量が少なくなったりするため、熱が体にたまりやすい

■ 高齢者の熱中症を防ぐためのポイント

では、熱中症にかからないためにはどうしたらよいのでしょうか?

こまめに水分補給

たとえのどが渇いていなくても、コップ1杯の水やお茶を定期的にとることが大切です。汗をかいたときなどは、塩分を同時に補給できるスポーツドリンクも効果的です。
夜間の頻尿を気にして水分をとらない人もいますが、熱中症は夜間にも発生しています。寝る前にも忘れずに水分補給しましょう。

しっかり食事をとる

食事には水分が多く含まれているので、しっかり食事をとることが大切です。たとえば、食事の際に汁物をつける、夏野菜の煮物といった水分の多い料理を加える、朝食に果物や果汁100%ジュース、牛乳を飲むといったこともおすすめです。体内リズムを守るといった点からも、少量でいいので決まった時刻に食べることが大切です。

暑さに負けない体づくり(運動)

1日1回汗ばむような運動をして、汗をかく習慣をつけましょう。適度な運動で筋肉量が増え、体内の保水力もアップするので、熱中症予防には効果的です。ただし、お腹が空っぽの状態で運動をすると、かえって筋肉量減少につながるので、空腹時を避けて体を動かすようにしましょう。なお、運動後30分以内にたんぱく質と糖分を含んだ食品(例えば牛乳1~2杯)をとると、発汗量が増し、体が暑さに慣れやすくなるという報告もあるのでおすすめです。

エアコンを積極的に活用

部屋の中では室温28℃を超えないよう、エアコンを積極的に活用しましょう。高齢者の熱中症の半分以上は自宅で起こっています。エアコンを積極的に活用して、室温・湿度の上昇を抑えましょう。

■ 周囲の見守りも重要

高齢者は熱中症になりやすく、本人も気づかないうちに重症化してしまうケースも少なくありません。いち早く異変に気づけるよう、家族や地域の人たちによる見守りも重要になってきます。

〇家族による見守りポイント(例)

  • 部屋に温湿度計を置き、家族も意識して室温をチェックし、積極的にエアコンの活用をすすめる
  • ペットボトル等に水分を入れて用意し、意識して水分をとるよう促す
  • 食が細くなっている場合には、一緒に食事をするなど、少量であっても食べて体内リズムを崩さないようサポートする

最近では、家族が近くにおらず、1人で暮らしている高齢者や、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」の夫婦なども多く見られます。そういった場合でも、地域の人たちが積極的に声をかけるなど、意識して高齢者を見守り、熱中症から守ることが大切です。

<参考情報>
熱中症環境保健マニュアル2018」 環境省 熱中症予防情報サイト
熱中症対策に係るシンポジウムの開催について」 環境省 熱中症予防情報サイト
熱中症予防 声がけプロジェクト」 熱中症予防声かけプロジェクト事務局

 
 
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